2連敗からの4連勝で日本一を決めた横浜ベイスターズ。シーズンは3位争いを制してギリギリAクラス入り。3位チームがパリーグ圧倒的優勝を収めたソフトバンクを倒しての下克上。
だれも予想できなかったプレーオフでシーズンを締めくくりました。今回はその下克上できた理由を徹底解説します。
目次
1. シーズンのチーム成績
打撃成績
打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 犠打 | |
巨人 | .247(2) | 81(3) | 447(4) | 59(4) | 125(2) |
阪神 | .242(5) | 67(5) | 470(3) | 41(5) | 115(4) |
DeNA | .256(1) | 101(2) | 508(1) | 69(1) | 85(6) |
広島 | .238(6) | 52(6) | 390(5) | 66(3) | 116(3) |
ヤクルト | .243(4) | 103(1) | 483(2) | 67(2) | 137(1) |
中日 | .243(3) | 68(4) | 358(6) | 40(6) | 113(5) |
守備・投手成績
防御率 | 先発防御率 | 救援防御率 | 失策 | |
巨人 | 2.49(1) | 2.60(1) | 2.27(1) | 58(1) |
阪神 | 2.50(2) | 2.62(2) | 2.27(1) | 85(5) |
DeNA | 3.08(5) | 3.23(4) | 2.83(5) | 96(6) |
広島 | 2.60(3) | 2.77(3) | 2.33(3) | 66(2) |
ヤクルト | 3.64(6) | 4.02(6) | 3.04(6) | 69(4) |
中日 | 3.00(4) | 3.32(5) | 2.48(5) | 68(3) |
この成績が今年のDeNAのチーム事情を良く表している。
打撃成績は軒並み良い成績だが、投手成績では下位で、守備においては最下位である。
打ち勝つ野球をするチームであった。自慢の打撃陣の成績と投手陣の成績を次で見る。
2. 主力選手の成績
バッター
打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 犠打 | |
桑原 | .270 | 5 | 24 | 8 | 9 |
梶原 | .292 | 4 | 30 | 16(2) | 1 |
牧 | .294(3) | 23(4) | 74(3) | 11(7) | 0 |
オースティン | .316(1) | 25(3) | 69(8) | 0 | 0 |
佐野 | .273 | 8 | 62 | 0 | 0 |
宮崎 | .283(9) | 14(10) | 56 | 1 | 0 |
山本 | .291 | 5 | 37 | 1 | 9 |
桑原,梶原,山本は規定打席には到達しなかった。
牧,オースティン,宮崎,佐野とクリーンナップに入る選手がしっかりとリーグでも上位の成績を残し、強力クリーンナップを形成した。
クリーンナップの前は足の使える、桑原,梶原。あとには三割に届きそうだった山本が構えた。
この他にも、ベテランの筒香、若手の森敬斗、ルーキーの度会などが控えた。
投手
登板数 | 防御率 | 勝利数 | HP | セーブ数 | |
東 | 26 | 2.16(6) | 13(2) | 0 | 0 |
大貫 | 15 | 2.85 | 6 | 0 | 0 |
ケイ | 24 | 3.42 | 6 | 0 | 0 |
ジャクソン | 25 | 2.90 | 8 | 0 | 0 |
伊勢 | 37 | 3.62 | 2 | 20 | 0 |
ウィック | 43 | 2.60 | 5 | 16 | 1 |
ウェンデルケン | 28 | 1.71 | 1 | 17 | 0 |
坂本 | 48 | 2.20 | 1 | 14 | 0 |
中川颯 | 29 | 4.42 | 3 | 6 | 1 |
森原 | 58 | 2.41 | 2 | 13 | 29(3) |
山崎康晃 | 38 | 3.35 | 3 | 14 | 4 |
安定した先発投手がいなくローテーション編成に苦しんでいた。しかし、エースの東は13勝をマークする活躍で柱となった。
中継ぎは森原が守護神として台頭したが、森原につなげるまでが苦しんだ。
打者陣に比べると、さびしい成績だ。
3. シーズン中のキーマン
梶原昂希
開幕スタメンを勝ち取ったが、打撃不振で登録を抹消。6月ごろに1軍再登録され、7月以降は1番バッターに固定。打撃の調子が向上し、足の使える1番バッターとしてチームを牽引した。
森原康平
山崎康晃が守護神として固定できない中、今年は守護神として台頭した。森原がクローザーに固定されてから快投を続けた。8月に調子を落としたが、それ以降は調子を戻し、シーズンで一度も抹消されることなく、シーズンを完走した。
4. プレーオフ中のキーマン
戸柱恭孝
山本祐大と伊藤光の離脱により、プレーオフでは全試合でスタメンマスクを被ることになった。守備だけでの活躍だけではなく、打撃でも活躍した。CSファイナルでは
打率.333(21-7)本塁打1
の成績で、MVPを獲得した。
森敬斗
シーズン終盤に打撃好調でそのまま、プレーオフでもスタメン出場を果たした。日本シリーズでも、打撃は好調で、
打率.381(18-5)をマーク。
守備では粗削りな部分もあったが、若手らしい良い活躍だった。
桑原将志
守備、バッティングと素晴らしい活躍であった。また、連敗した後ではチームを盛り上げるメードメーカーとしての活躍も担った。この役割が最も大きかったのかもしれない。
打率 .391(23-9)本塁打1 打点6
の成績で日本シリーズMVPに輝いた。
ケイ&ジャクソン
シーズン中の成績には苦しんだが、プレーオフでは相手打線を寄せ付けない見事な投球であった。ジャクソンに関しては2度の先発を担った。見事な投球だった両外国人投手には、最優秀選手賞が贈られた。
5. 日本一になれた理由
一言で言えば、打線がハマったからである。
DeNAの強みは強力打線である。打線というのは短期決戦において、ハマれば最強、ハマらなければ最弱となる。
逆に投手力の強いチームはある程度の戦いをすることができる。
日本シリーズのDeNAは、当たり前に活躍して欲しい選手が活躍し、先程のキーマンに挙げた選手たちの活躍が合わさり、最強打線を結成することができた。オースティン選手のバッティングは流石でした。
打ち勝つ野球はレギュラーシーズンを通して勝つことは難しいが、短期決戦の時に打撃が好調であれば強いチームとなる。
しかし、2連敗したあと、なぜ4連勝できたのでしょうか。
理由は二つあると思っています。
① 「宮城の方が断然いいので」に燃えたナイン
これは東が先発する時の、ソフトバンクの村上コーチの発言だ。いつもレギュラーシーズンで対戦している宮城の方がすごいと思って、東と対戦すれば、楽に打席に入れるという意味で発言しただろう。しかし、DeNAはこれに怒り、燃え、逆襲の4連勝につながったと思います。
② ムードメーカー,桑原の発言
2連敗した後、「負けて悔しくないんか」という発言をしたそうだ。ムードメーカーのこの発言はナインに響いたのでしょう。負けて落ち込むナインを鼓舞し、自らも守備でも打撃でも活躍した。まさにMVPの活躍でした。
6. まとめ
2010年のロッテに続いて、史上2チーム目の下克上日本一を達成したDeNA。これによって、佐野選手のFAは無くなったのかと思います。(笑)
なぜなら、日本一を達成して、1番になりたいから移籍するという理由がなくなったからです。出番をもらえて、優勝を目指せるチームからは離れないでしょう。
ともあれ、今から来シーズンが楽しみです!シーズンお疲れ様でした!!!